豆知識:着物の技法 朧染め(おぼろぞめ) 友禅染をより華やかに見せるために、金銀の箔や金属粉などで加飾したもの。 貝紫染め(かいむらさきぞめ) アッキガイ科の巻貝から得られる染料を用いたことに由来する染色技法。 「王者の紫」「帝王紫」と呼ばれ高貴な色とされている。 型染め(かたぞめ) 型紙を用いて染める技法。型友禅、紅型など。 唐織(からおり) 西陣を代表する織の技法の一つで、糸を浮かせるように織ったもの。 あえて太い糸を、斜めに織り込むことでふんわりと立体感を持たせることができる。 生地は薄くすることで重さが軽減され、長時間の使用でも苦痛にならない。 「唐」という名前は中国から渡来したという意味では無く、 優れたものという美称で用いられる。 金駒刺繍(きんこまししゅう) 糸の周りを細い金紙で巻いた金糸を下絵に沿って這わせ、綴じ糸で留めたもの。厚みがあり煌びやかで、前身頃などメインの柄となる部分に 施されることが多い。 金彩加工(きんさいかこう) 友禅染をより華やかに見せるために、金銀の箔や金属粉などで加飾したもの。 金彩友禅(きんさいゆうぜん) 透明の溶剤・合成樹脂などと金属粉を混ぜ、筒紙から絞り出して描かれた柄。 金糸(きんし) 金箔などを糸に巻き付けたもの。 金通し・銀通し(きんとおし・ぎんとおし) 織物全体に、緯糸に金糸や銀糸、ラメ糸を織り込んだもの。 胡粉(ごふん) 貝殻を砕いたものを精製した白色顔料。単独でも、他の色と混ぜても使用することができる。通常の染料と違い生地に染み込んでいかないため、はっきりとした発色が特徴 相良刺繍(さがらししゅう) 蘇州刺繍・汕頭刺繍と合わせた中国三大刺繍の一つ。 生地の裏から糸を引き出して結び玉を作り、それを連ねていくことで模様を作る。 刺繍(ししゅう) 糸で絵や模様を表すこと。 絞り(しぼり) 染めない部分を絞り上げることで染め分ける技法。力加減により染め上がりが変わってしまうため、一つ一つ均一に絞り上げていく。 平縫い絞り、縫締め絞り、匹田絞りなど幾通りもの技法がある。 地紋(じもん) 生地に折り出された模様のこと。 汕頭刺繍(すわとうししゅう) 相良刺繍・蘇州刺繍と合わせた中国三大刺繍の一つ。 経糸と緯糸の間に針を入れて広げ、裏地が見えるような網目を作る。 全通(ぜんつう) 柄止まりが無く、帯の端から端まで全面柄があるもの。 総刺繍(そうししゅう) 絵柄が全て刺繍で表現されたもの。 その見た目の豪華さや制作に多大な手間のかかることから高値が付く。 総絞り(そうしぼり) 着物の生地全体を絞り染めにしたもの。 蘇州刺繍(そしゅうししゅう) 相良刺繍・汕頭刺繍と合わせた中国三大刺繍の一つ。 使用する糸が極めて細く、刺繍面が盛り上がらない。 竹屋町刺繍(たけやまちししゅう) 二条城の東に位置する竹屋町に集められた職人達が作り出す刺繍から名付けられた、伝統の京縫。織物のように見える、緯糸と緯糸の間に糸を留めていく技法。 たたき染め(たたきぞめ) 温めた蝋を筆や刷毛に含ませ、 生地に叩き落として防染することで粒状の模様を表現する技法。 経糸(たていと) 織物を構成する糸のうち、縦方向に向かっている糸。 縮緬(ちりめん) 撚りの弱い経糸と、撚りの強い緯糸で織られた織物。生地の表面にシボができるのが特徴。 つづれ織(つづれおり) 強い撚糸を使い、打ち込むことで経糸が緯糸に覆われて見えなくなるような西陣の技法の一つ。織り手の爪を櫛のように尖らせ、緯糸を柄に合わせて取り替えながら織ることで緯糸のみで柄を表現する。 手描友禅(てがきゆうぜん) 友禅染めの一つ。型染めの友禅に対し、手描き染めの友禅のこと。 糸目糊の防染により、一色一色が際立つ鮮明な染めが特徴。 天然染料(てんねんせんりょう) 植物や動物、鉱物などの天然原料から採れる染料。 天目染め・天目ぼかし (てんもくぞめ・てんもくぼかし) 染めて乾かす前におがくずを掛けることで染料を吸収させ、まだら模様に染めること。 西陣織(にしじんおり) 京都市中心の北西部の地域で生産される絹織物のこと。 特定の織り方や織物を指すのではない。西陣は世界で最も長く継続した歴史を持つ高度な織物産地で、図案家や糸染業者、製織業者など各工程が分業で行われている。 古い歴史に培われた多彩な染織の技法が用いられる。 縫い取り(ぬいとり) 模様の部分のみ、地糸とは別の緯糸を通して織られたもの。生地の上に柄に沿わせて多方向に縫われる刺繍とは異なり、緯糸で絵柄が表現される。 箔加工(はくかこう) 金、銀、プラチナ、アルミなどの金属を叩いて、 紙のように薄く伸ばした箔を着物や帯地に貼りつけることで装飾したもの。 平縫い(ひらぬい) 糸と糸の間をあけずに縫うこと。 ふくれ織(ふくれおり) 二重織で表面をふくれ上がらせることで立体感を出す技法。 盛り上げ箔(もりあげはく) 粘度の高い糊を筒紙から生地に塗り、乾燥後に箔や金属粉を接着する方法。 屋久杉染め(やくすぎぞめ) 屋久島の樹齢千年を過ぎた屋久杉の根から抽出した染料を使った染色方法。 友禅・友禅染め(ゆうぜん・ゆうぜんぞめ) 日本で最も有名な染色法の一つ。 生地の上で色が混ざり合わないように糊で防染することで、糸目と呼ばれる白い縁取りができる。手描友禅や型友禅など。 緯糸(よこいと) 織物を構成する糸のうち、横方向に向かっている糸。 ラインストーン(らいんすとーん) カットされたアクリル樹脂製のダイヤモンド類似石。 着物の柄の装飾や、重ね衿、帯〆の飾りに用いられる。 螺鈿(らでん) オウム貝、夜行貝、蝶貝などの真珠光を放つ部分を磨いて薄片にし、種々の形に切って装飾するもの。虹色の幻想的な光が特徴で、着物の柄の一部や、帯の太鼓柄の飾りに用いられる。 ラメ(らめ) 微細な金属粉を表面塗装してキラキラと光るようにしたもの。 また、金属のような光沢を持たせた糸をラメ糸と呼ぶ。 臈纈染・蝋結染(ろうけつぞめ) 蝋を防染に用いる染色方法。 一般的な手描き友禅と異なり、糸目が無い絵柄が特徴。 蝋彩染め・蝋彩友禅 (ろうさいぞめ・ろうさいゆうぜん) 蝋を防染剤として染色する技法。 輪奈織(わなおり) 一越ごとに置いた針金の上から帯を織り、抜くことでループ状にする技法。 柄に立体感が生まれ、また帯を締めた後に緩みにくい。 date:2017.12.09 ←前の記事へ →次の記事へ
朧染め(おぼろぞめ)
友禅染をより華やかに見せるために、金銀の箔や金属粉などで加飾したもの。
貝紫染め(かいむらさきぞめ)
アッキガイ科の巻貝から得られる染料を用いたことに由来する染色技法。
「王者の紫」「帝王紫」と呼ばれ高貴な色とされている。
型染め(かたぞめ)
型紙を用いて染める技法。型友禅、紅型など。
唐織(からおり)
西陣を代表する織の技法の一つで、糸を浮かせるように織ったもの。
あえて太い糸を、斜めに織り込むことでふんわりと立体感を持たせることができる。
生地は薄くすることで重さが軽減され、長時間の使用でも苦痛にならない。
「唐」という名前は中国から渡来したという意味では無く、
優れたものという美称で用いられる。
金駒刺繍(きんこまししゅう)
糸の周りを細い金紙で巻いた金糸を下絵に沿って這わせ、綴じ糸で留めたもの。厚みがあり煌びやかで、前身頃などメインの柄となる部分に
施されることが多い。
金彩加工(きんさいかこう)
友禅染をより華やかに見せるために、金銀の箔や金属粉などで加飾したもの。
金彩友禅(きんさいゆうぜん)
透明の溶剤・合成樹脂などと金属粉を混ぜ、筒紙から絞り出して描かれた柄。
金糸(きんし)
金箔などを糸に巻き付けたもの。
金通し・銀通し(きんとおし・ぎんとおし)
織物全体に、緯糸に金糸や銀糸、ラメ糸を織り込んだもの。
胡粉(ごふん)
貝殻を砕いたものを精製した白色顔料。単独でも、他の色と混ぜても使用することができる。通常の染料と違い生地に染み込んでいかないため、はっきりとした発色が特徴
相良刺繍(さがらししゅう)
蘇州刺繍・汕頭刺繍と合わせた中国三大刺繍の一つ。
生地の裏から糸を引き出して結び玉を作り、それを連ねていくことで模様を作る。
刺繍(ししゅう)
糸で絵や模様を表すこと。
絞り(しぼり)
染めない部分を絞り上げることで染め分ける技法。力加減により染め上がりが変わってしまうため、一つ一つ均一に絞り上げていく。
平縫い絞り、縫締め絞り、匹田絞りなど幾通りもの技法がある。
地紋(じもん)
生地に折り出された模様のこと。
汕頭刺繍(すわとうししゅう)
相良刺繍・蘇州刺繍と合わせた中国三大刺繍の一つ。
経糸と緯糸の間に針を入れて広げ、裏地が見えるような網目を作る。
全通(ぜんつう)
柄止まりが無く、帯の端から端まで全面柄があるもの。
総刺繍(そうししゅう)
絵柄が全て刺繍で表現されたもの。
その見た目の豪華さや制作に多大な手間のかかることから高値が付く。
総絞り(そうしぼり)
着物の生地全体を絞り染めにしたもの。
蘇州刺繍(そしゅうししゅう)
相良刺繍・汕頭刺繍と合わせた中国三大刺繍の一つ。
使用する糸が極めて細く、刺繍面が盛り上がらない。
竹屋町刺繍(たけやまちししゅう)
二条城の東に位置する竹屋町に集められた職人達が作り出す刺繍から名付けられた、伝統の京縫。織物のように見える、緯糸と緯糸の間に糸を留めていく技法。
たたき染め(たたきぞめ)
温めた蝋を筆や刷毛に含ませ、
生地に叩き落として防染することで粒状の模様を表現する技法。
経糸(たていと)
織物を構成する糸のうち、縦方向に向かっている糸。
縮緬(ちりめん)
撚りの弱い経糸と、撚りの強い緯糸で織られた織物。生地の表面にシボができるのが特徴。
つづれ織(つづれおり)
強い撚糸を使い、打ち込むことで経糸が緯糸に覆われて見えなくなるような西陣の技法の一つ。織り手の爪を櫛のように尖らせ、緯糸を柄に合わせて取り替えながら織ることで緯糸のみで柄を表現する。
手描友禅(てがきゆうぜん)
友禅染めの一つ。型染めの友禅に対し、手描き染めの友禅のこと。
糸目糊の防染により、一色一色が際立つ鮮明な染めが特徴。
天然染料(てんねんせんりょう)
植物や動物、鉱物などの天然原料から採れる染料。
天目染め・天目ぼかし
(てんもくぞめ・てんもくぼかし)
染めて乾かす前におがくずを掛けることで染料を吸収させ、まだら模様に染めること。
西陣織(にしじんおり)
京都市中心の北西部の地域で生産される絹織物のこと。
特定の織り方や織物を指すのではない。西陣は世界で最も長く継続した歴史を持つ高度な織物産地で、図案家や糸染業者、製織業者など各工程が分業で行われている。
古い歴史に培われた多彩な染織の技法が用いられる。
縫い取り(ぬいとり)
模様の部分のみ、地糸とは別の緯糸を通して織られたもの。生地の上に柄に沿わせて多方向に縫われる刺繍とは異なり、緯糸で絵柄が表現される。
箔加工(はくかこう)
金、銀、プラチナ、アルミなどの金属を叩いて、
紙のように薄く伸ばした箔を着物や帯地に貼りつけることで装飾したもの。
平縫い(ひらぬい)
糸と糸の間をあけずに縫うこと。
ふくれ織(ふくれおり)
二重織で表面をふくれ上がらせることで立体感を出す技法。
盛り上げ箔(もりあげはく)
粘度の高い糊を筒紙から生地に塗り、乾燥後に箔や金属粉を接着する方法。
屋久杉染め(やくすぎぞめ)
屋久島の樹齢千年を過ぎた屋久杉の根から抽出した染料を使った染色方法。
友禅・友禅染め(ゆうぜん・ゆうぜんぞめ)
日本で最も有名な染色法の一つ。
生地の上で色が混ざり合わないように糊で防染することで、糸目と呼ばれる白い縁取りができる。手描友禅や型友禅など。
緯糸(よこいと)
織物を構成する糸のうち、横方向に向かっている糸。
ラインストーン(らいんすとーん)
カットされたアクリル樹脂製のダイヤモンド類似石。
着物の柄の装飾や、重ね衿、帯〆の飾りに用いられる。
螺鈿(らでん)
オウム貝、夜行貝、蝶貝などの真珠光を放つ部分を磨いて薄片にし、種々の形に切って装飾するもの。虹色の幻想的な光が特徴で、着物の柄の一部や、帯の太鼓柄の飾りに用いられる。
ラメ(らめ)
微細な金属粉を表面塗装してキラキラと光るようにしたもの。
また、金属のような光沢を持たせた糸をラメ糸と呼ぶ。
臈纈染・蝋結染(ろうけつぞめ)
蝋を防染に用いる染色方法。
一般的な手描き友禅と異なり、糸目が無い絵柄が特徴。
蝋彩染め・蝋彩友禅
(ろうさいぞめ・ろうさいゆうぜん)
蝋を防染剤として染色する技法。
輪奈織(わなおり)
一越ごとに置いた針金の上から帯を織り、抜くことでループ状にする技法。
柄に立体感が生まれ、また帯を締めた後に緩みにくい。